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2013年

レポート「参加型サイエンス・トーク [見出す]物語」

2013年11月13日
日時: 2012年3月10日(土)13:00〜16:00
会場: 理化学研究所 横浜研究所 交流棟ホール

<参考資料>
リーフレット
当日配布冊子 

この会は、若手研究者自身が現場の様子を社会に向けて生き生きと伝えると同時に、研究者自身の異分野交流や、参加研究者の意欲を高めるアウトリーチ活動モデル開発への貢献も目的として、「理研理事長ファンド若手研究会助成」の支援を受けて開催されました。
37名の方から事前申込みをいただき、うち13名の方にはお申込み時に「当日詳しく聞きたい点」についてもご記入いただきました。当日は雨天の中、30名の方にご参加いただきました。
当日は、まず企画担当者(伊東真知子)より、会の趣旨や進め方についてご説明しました。[趣旨.pdf]

 話題提供1_入江直樹「解くべき問題を見出す」

入江直樹

想像上の動物と実際の動物の違い、「ありうる形」と「ありえない形」の違いを、どうすれば科学的に説明できるのか。考え続ける中で、偶然見た映画からヒントが得られ、「結果的に変更されていない」ところからまず探すことにした。
ハツカネズミやカエルの受精卵から体ができる過程から、膨大な分子データをとって解析した。ニュース等には「150年来の謎をスパコンで解明」と書いてもらったが、技術的な側面よりも、科学的な問題として扱われてこなかったものに取り組んだことに注目してもらいたいと思う。
例えばiPadの試作品を初めて見た人は、それが便利なのか何なのか理解できなかったはず。ノートPCでもなく携帯とも違う、新しいものを提唱する。分野にとらわれず、刺激をもらい、自分も新しいことをやっていきたいと思う。

 

話題提供2_花田耕介 生物の「形」を変えるゲノムの変化を見出す

花田耕介 

自分の研究プロセスは、商品開発にたとえられると思う。市場調査をしてターゲットを決めて、誰に頼んでどういうものを作るか決める。研究では、自分がやるべき問題、できる問題を設定して、方法の選択、そして結果を得る。小さな会社経営というイメージ。僕はつねに、自分だけでなく他の人も喜んでくれるかを考えるので、なおさら。 
 大きな問いに答えを出すのは、正直なところ無理だと思っている。税金も時間も無駄にはできない。どこまでなら理解できるのか、研究者自身は感覚的にわかっているべきだし、意識すべきだと思う。なるべく費用対効果の高いものを選ぶということを、頭の中でいつも繰り返していると思う。現在は、植物のペプチドホルモンの推定を研究テーマにしている。

話題提供3_臼井健悟 自分の研究を社会に活かす道を見出す

臼井健悟

私は農学部出身で、実用につながるような勉強や研究をしてきた。理研でも社会に役立つ研究ができればと思っていた矢先、新型インフルエンザが流行した。現在病院で使われている判定法では、ウイルスがかなり増殖していないと検出できない。より高感度の検出法ができれば、熱が上がりきる前にタミフルを飲むなど、より早い治療も可能になる。
私は、検体(鼻腔ぬぐい液)の前処理法の開発を担当した。実験に使うために、長い綿棒を自分の鼻の奥に入れて、もう100回ほどは採取したと思う。私の所属するグループ全体で、従来法の約100倍の感度は実現できた。今はさらに簡便な技術の開発を進めていて、小型の機器も企業と共同開発しており、実際に病院で使ってもらえるものを目指している。

話題提供4_森山和道氏 問い続けることの面白さを見出す

☆お話の内容は、森山氏自身による書き起こしを是非ご参照ください!

森山氏の質疑応答より:
記者発表で説明されるような研究成果は氷山のほんの一角で、その下に膨大な情報があるが、そこにマスメディアなどはあまりふれない。皆忙しいから仕方がないが、少なくとも、それを想像することが必要だろう。例えば研究の最も重要な成果物は論文だということすら、一般の人は知らない。このような溝があるという前提が、研究者側と伝える側の双方に必要だ。
科学の鑑賞は、やきもの鑑賞に似ていると思う。目が慣れていないと、なんでも同じに見えるが、勉強しているとだんだんわかってくる。どんな研究者の話もどこか面白いところが必ずある。そういうところがだんだんわかってくると、深い。

会場風景1
会場風景2

話題提供の間、ご来場の皆様には付箋に質問や感想をご記入いただきました。
後半の時間では、この付箋を、各話題提供者が広げた模造紙に貼り付けながら、各自自由に移動しながら話し合っていただきました。最後に、各話題提供者が自らに寄せられた質問・感想を紹介してまとめ、閉会しました。
ご来場者30名中29名から回収されたアンケートでは、16名が満足度を5点(満点)と回答、意見交換が十分におこなえたと答えた方ほど満足度も高い傾向がみられました。今後に向けた改善点は、時間が足りなかった、意見交換のテーマを絞るべき、せっかくなので来場者のバックグラウンドもあらかじめ共有したほうがよい、など具体的に多数ご記入いただきました。ご参加・ご協力まことにありがとうございました。